無礼なお客様への対応
お客様の中には、少なからず無礼な態度をされる方がいらっしゃいます。
このようなお客様に対して、対決しようとする従業員がいます。
気分が悪くなると、無礼に対して無礼で対応してしまいます。
このような対応では、結果としてクレームになることすらあります。
お客様の感情をそのまま受け止めるのではなく、冷静に他のお客様と同じように対応することを意識してください。
その無礼なお客様と対応している従業員を周りのお客様は、関心を持って見ているのです。
ひとりのお客様への対応は、実はすべてのお客様に伝わっているのです。
ある店舗で、お客様からクレームをいただきました。
店長では話にならないと店舗の担当と話がしたいと要望がきました。
店長に、事情を確認すると
「あのお客様だと思います。いつも、ひどい態度で、、怒鳴るように注文してきます。来られるだけで、気分が悪くなります。だから、私も、顔に出ていると思います。」
女性の店長で、いつも笑顔で優しい印象の方からのこのような言葉を初めて聞いたので驚きました。
店舗の従業員からも状況を確認すると、確かにこのお客様は、常に不機嫌そうに来店されて、強い口調で話をするようです。
その日は、店長も我慢できずにきつい口調で対応をしてしまったようです。
店長の言い分も理解できましたが、どんな事情があろうと店長が無礼な接客をしてしまったことは事実です。
そのあと、お客様とは電話でお話しました。
電話では、非常に穏やかな口調で話されますし、話の内容も理不尽なことはありません。
ただ、店長からの直接の謝罪を要望されていました。
数日後に、お客様とお会いすることになりました。
お客様とお会いすると、店長の表情がこわばるのがわかりました。
そして、お客様の表情も厳しきなるの見て取れます。
お客様への挨拶を終えると、店長からの謝罪から始まりました。
「失礼な態度で接客してしまい、申し訳ありませんでした」
「なんで、あんな態度をとったんだ。」
「お客様が、強い口調で注文されるので、怖くなっていたからかもしれません。」
「この前だけじゃないよ、あなたは、いつも同じような態度だよ。今回は、我慢できなくてクレームを入れたんだ。」
「え、いつもですか?」
「そうだよ、ここの料理が好きで来てるけど、店に入ると嫌な顔される。だから気分が悪くなる。来なけりゃ良いのだけで、それでも好きだから来ているんだ。確かに、不機嫌で来たこともあるかもしれない。でも、いつもじゃない。店に来ると不機嫌にさせられる。」
店長は、このお客様が、どれだけ店舗と商品を好きなのかをわかっていませんでした。
たしかに、週に何回も来店される常連さんでした。
「こんなに、店舗を思っていただいているお客様に失礼なことをしてしまいました。すみません。」
店長は、涙ぐんでしまい言葉を詰まらせました。
お客様も店長が、理解してくれたと感じたようです。
「私も、気を付けるべきところがあるかもしれない。でも、もしも、同じことがあったら、今度は許さないよ。」
このような言い回しですが、お客様は、これからは普通に対応して欲しいと要望しているだけです。
それだけのお客様にとっては、重大なことだったのです。
店長が、最後にお客様に伝えました。
「はい。またのご来店をお待ちしております。」
店長は、自分の立場でお客様に対して対決して自己防衛をしていたようでした。
そして、数日後に店長から連絡がありました。
「あのお客様が、来店してくれました!少しですけどお話しました!」
とても、うれしそうな声でした。
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