店舗を増やす落とし穴

2015.10.18 (日)
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店舗を増やすには、それに合わせた準備が絶対に必要です。

準備不足、認識の甘さの結果として、すべての店がダメになりることがあるのです。

今回は、店舗を増やした失敗事例をお話しします。

A社は、複数の事業を営む会社です。今回、初めて飲食店の経営に乗り出しました。

複数の店舗を運営することを目標にしていましたので、初めから2店舗のオープンの話が進んでいました。

数ヶ月後、都心に1号店をオープンします。

この時は、社員が2名いますから、初めての飲食業ですが苦労しながらも運営は順調でした。

そして、3ヶ月後には、移動時間が30分ほどの場所に、2号店がオープンです。

2号店には、1号店の副店長が店長として着任し、それぞれの店舗に店長がいる状態になりました。

2店舗の収支が、よくありませんでした。2店舗とも赤字です。

売上は良かったのですが、オープンして間がないことで経費管理が甘かったのです。

定期的にミーティングを開催し、売上や経費管理を続けていました。ゆっくりでしたが、改善は見られました。

そして、2号は黒字に転換します、1号店は、まだ赤字ですが改善が見られまいた。

これから、基盤を固めていく大切な時でした。

そのような時に、3号店の話が浮上してきました

それも、都心ではなく、移動時間が2時間近くにかかる場所にです。

その物件は、地元で店舗を運営するオーナー達が断った物件でした。

希望者がいないので、A社に話が回ってきたのです。

意見を求められて、やらないほうが良いと進言しましたが、3号店の出店の話が進んでいきました。

それなら、人員の準備を早くして欲しいと言いましたが、社員の雇用は上手く進みませんでした。

準備不足のまま、オープンが近づいてきまいた。

オープン当初は、1号店の店長が3号店と兼任し、1号店のフォローを2号店に店長がすることでしのいだのです。

でも、1号店の店長は、毎日のように店舗を往復していました。

その後、社員を雇用ができて3号店は任せましたが、1号店の体制も店長はボロボロになっていました。

店舗を複数あるメリットは、「ヒト・モノ・カネ」を連動させることです。

例えば、人員不足の店に、余裕のある店舗から応援を出す等のサポートをすることが可能になります。

しかし、A社は、3号店の他の店舗との距離がネックになり、社員同士のコミュニケーションも希薄になり、店舗運営の連動性ができなくなりました。

事業責任者の方は、バラバラになっていた店舗(社員)に苦労されていました。

飲食事業の赤字を本業の利益で補填している状態が続きました。
それでも、本業の業績がよければ良いのですが、A社の業績自体が悪くなってきてしまいました。

そして、A社は、飲食事業からの撤退を決定しました。

すべての店舗を売りに出しました。

幸いなことに、すべての店舗に買い手が見つかりましたが、A社は会社自体を縮小させて、移転することになりました。

オーナー店長が、一人でやるにしても、会社の事業部としてやるにしても、準備が必要です。また、増えてからの店舗の連動性も考える必要があります。

次回は、深刻な人手不足についてお話しします。

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