店舗の限界を超える店長の力
店舗の販売能力には、ある程度の限界があります。
立地や店舗自体の構造、客層などの影響から予測されます。
しかし、その予測は常に正しい訳ではありません。
予測を大きく超えていく店長が存在します。
担当していた店長のお話です。
チェーンの販促で、期間限定でコーヒーチケットの割引キャンペーンがありました。
ある年に、期間内での販売トップの店舗が、800枚ほど販売しました。
誰もが、今後、この記録を超える販売は難しいかと思いました。
翌年の割引キャンペーンの直前に、新任店長が着任しました。
その新人店長から、販売目標数を1000枚に設定すると報告を受けたのです。
誰もが、1000枚の壁を超える事は無理だと思っていました、私もです。
そして、キャンペーンスタートの当日を迎えます。
気になりましたので、朝一で店舗に向かいました。
すると、新人店長は店頭の前にテーブルを出して、専用の売り場を作り、大声でキャンペーンの内容を叫んでいました。
店頭を通る人は、振り返ってはいますが購入には結びついていないようです。
少し落ち着いたところで、店長に声を掛けました。
「頑張ってるね。でも、あまり売れていない印象だけど?」
すると、店長はかすれた声で言いました。
「いえ、私は、大声出すくらいしかできませんから。でも、ここで購入されるお客様は少ないですが、店内での購入は好調みたいです。それに、このキャンペーンを知らない方にも、知って貰っていますから、効果あるはずです。」
その日は、初日としては、過去最高を記録しました。
このスタートダッシュの勢いのままに進みます。
従業員も売れ行きの良さに自信がついて、店舗全体が盛り上がっているの伝わるようになります。
その従業員の盛り上がりが、お客様に伝わり、販売を伸ばしていきいます。
そして、誰もが無理だと思った1000枚を大きく超えたのです。
最終日の店舗全体の盛り上がり方は、すごかったです。
新人の店長だから、限界を変に意識していなかったこともありますが、自分ができることを考えて行動した結果ではないでしょか。
そして、この店舗の記録は、その後を大きく変えます。
翌年には、1000枚を超える店舗が複数出たのです。
ひとりの新人店長が限界を超えたことで、他の店長に大きな影響を与えていたのです。
潜在的に、皆が無理と思っていたことを超えることが、全体の売上さえも変えることになることを感じました。
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