店前の掃除の基本~向こう三軒両隣
開店前の時間に、店舗の前を清掃している従業員を見かける時があると思います。
たまに、店頭からずいぶんと離れたところを清掃していることがあります。
それでは、「店舗のまえ」とは、どこまででしょうか?
路面店の店長をしていた時は、「向こう三軒両隣」を意識して清掃するようにしていました。
店舗には、多くの人が集まります。
人が集まると、少なからず片付けや清掃が必要になります。
店の前に来店されたお客様が捨てたレシートなどのゴミがあることがあります。
そのゴミが、隣に飛んでいくことだって考えられます。
すべてのゴミを拾うことは不可能ですが、ゴミの責任は店舗にもあります。
そこまで、する必要があるのかといえば、やるべきです。
こんなことがありました。
店舗の前が、広い場所で冬になると落ち葉の吹き溜まりなる場所でした。
基本的には、公共の場所なので清掃する必要はありませんでしたし、いつもはそれほど落ち葉がありませんでした。
ある日、あまりにもすごい量の落ち葉なので、清掃をはじめました。
隣には、別の店舗もありますが、周辺全体を清掃しました。
大きなゴミ袋で、何袋も落ち葉だけで集まりました。
誰かに依頼された訳ではありませんが。
その日の午後に、店舗の大家さんの奥さんが来店された時に、
「店長さん、そこの広場の清掃してくれたの。ありがとうね。
そこはおとうさん(大家さん)が朝早くに清掃しているんだけど、腰を悪くして今できないと気にしていたのよ。
清掃しなきゃと見ていたらお店の人が掃除してくれているので、おとうさんは喜んでるの。お礼を言ってきてくれとたのまれたのよ!」
いつも、店頭がきれいなのは大家さんが清掃してくれていたのでした。
店舗でも、店前の広場を清掃することを意識しました。
それをきっかけに、大家さんとの関係はすこぶる良好になりましたし、隣の店舗の方との関係も良くなりました。
良いことも、悪いことも、見ている人は見ています。
余談ですが、スーパーバイザーとなってから、その店を担当することで挨拶に伺った時も、大家さんからは当時のことでお礼の言葉をいただきました。
また、売上が厳しくて家賃の減額をお願いしようと思っていた時にも、その話が出てきました。
「よくやってくれてるから、他に貸す気はないよ。だから、できる限りだけど相談に乗りますよ。」
スムーズに、減額の交渉が進んだのです。
そのために、清掃した訳ではありませんが、結果的に良いことがありました。
店舗を運営することは、お客様だけでなく周辺の方を意識しなければいけません。
地域の皆さんに愛される店舗になる努力をしなければ、お客様にも届かないと思います。
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