地元の商店会との関り
店舗を運営すると、ご近所の店舗との付き合いが出てきます。
街中の店舗ですと、商店会などの組合などがあり、そこでの付き合いも大切になります。
個人での開店でしたら、地域の情報を得るためのにも活用される方が多いと思います。
ただ、チェーン店ですと挨拶だけで関りがないこともあります。
これは、店長の人事での移動などがあり引き継ぎされなかったり、もともと関心のない店長だったりもします。
また、商店会などの活動が活発であるかも関係してきます。
地域との関りは、売上にも関係してたりもします。
ある店の歴代店長と商店会との関わりのお話です。
その店舗は、最寄りに大きな大学がある昔ながらの町でオープンしました。
昔ながらの学生街、多くの歴史ある店舗が軒を連ねていした。
商店会も歴史があり、結束が固いようです。
そんな町ですから、チェーン店が出店することはよく思わない店主もいました。
そして、チェーン店は商店会には入れません、そんな町の店舗に、P店長は着任しました。
P店長は、この町で商売するのに商店会との関りがないことは、マイナスだと考えていました。
商店会に入らなければ、会費も払わなくて良いですし、面倒な付き合いもしなくて良いのにです。
はじめは、商店会の会長を教えてほしいと尋ねても、教えてさえくれなかったそうです。
商店会の店には、かたっぱしから自らお客さんとして行っていました。
P店長に尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「いきなり尋ねたら、失礼な奴だと怒鳴られたよ。だから、お客さんとして行ってる。商品買ったり、食事したりしてるだけ。」
普通のは、怒鳴られたらやめると思いますが、かえって燃えてきたようでした。
そして、ある日、会長さんが話を聞くから会いに来いと了解をもらえました。
その会長は、初めのころは、オタマで頭を叩かれたり、怒鳴られていたラーメン屋の店主でした。
ずっと、P店長の様子を見ていたそうです。
怒鳴られた後でも、何度もお客さんとして顔を出してること、他の店の店主からも話を聞いてたようです。
やっと、やっと、半年ほどして商店会に入ることが出来たのです。
そうすると、商店会だけに入る情報がもらえるようになります。
さらに、近隣の大学のイベントへの商品提供や会社への配達などの依頼があると、回してくれるようになったのです。
もちろん、近隣の皆さんがお客様として来店してくれるようにもなりました。
P店長の人柄もありますが、何よりもくじけないで続けた執念が実ったと思います。
しかし、チェーン店の宿命かな、店長が交代していきます。
何年か時間がたち、スーパーバイザーとしてその店舗を担当することになりました。
売上も苦戦している状態でしたし、大学のイベントなどの売上もない状態です。
当時の店長に確認すると、商店会のことは全くしらないようでした、もちろん関りは全くない状態で
急いで、挨拶に行かせました。
会長さんからは、こんな言葉が返ってきました。
「新しい店長が変わるたびに、挨拶には来ていたけどね。いつからか、それすらなくなってたね。会費は払っているけどそれだけ。」
それからは、商店会の会合や打ち合わせに、店長が参加して以前のような関係に戻せました。
しかし、これも引き継いでいかなければ、すぐに元に戻ります。
引き継ぐときは、店舗の業務以外のこと、特に関わる「ひと」を大切に引き継ぐことが重要です。
現在の記事: 地元の商店会との関り