商品のおススメは、だれのため
商品やサービスの提供を受けていると、店員さんから追加の商品やサービスのおススメがあります。
店舗で、このようにお客様に追加の商品やサービスのことをチェーンにより呼び名は変わりますが、「サジェスト」と呼ぶことが多いようです。
この「サジェスト」は、客単価アップのために販促活動のひとつです。
あまりにも誤飲な感じで、不快な気持ちになってしまった経験はありませんか。
逆に、すんなりと受け入れられて、気持ちよく追加の注文をされたこともあると思います。
なぜ、このように気持ちの違いが起きるのでしょうか?
まず、この質問に答えてください。
「だれのために、おススメ(サジェスト)しているのか?」
店舗の売上アップのためですが、その前提になることが欠けていませんか。
おススメ(サジェスト)は、お客様にとって有益な情報を提供することであり、その結果として売り上げをアップさせることができるのです。
新商品の販売が始まると、チェーン全店で販売コンテストが行われると、常にトップクラスの結果を出す店舗がありました。
この店舗のK店長は、このおススメ(サジェス)をうまく活用していました。
それでは、K店長の手順をお話しします。
K店長の「キモ」は、事前準備にあります。
まず、新商品の説明やマニュアルが本部から来ると、すぐに全従業員に伝えます。
そのために、まずK店長が自分で内容を把握することからはじめます。
本当に、行動が早くて、質問の電話があったときに、担当の私がまだ把握していない時もよくありました。
それも、お客様や従業員からの質問を想定しているのです。
次に、マニュアルのポイントをまとめます。
これは、従業員のスキルの差を考慮して、新人でも理解できるようにしているのでした。
新商品の材料は、発売の1週間前くらいから納品可能になっていましたので、すぐに発注をします。
納品されると、実際に食材や包材を使用して商品を作成します。
これを全従業員に行い、試食をさせます。
オーナーや店長によっては、原価の負担を嫌って調理の練習や試食をさせないかたも多いのです。
ここまでの練習と試食をさせる店長もいますが、K店長のこだわりはここからなのです。
マニュアルと試食した感想を店舗の連絡用のノートに全員が記入することに決めています。
それも、単純に美味しいなどではなく、お客様に伝えるべきポイントやおススメするべき客層、おススメしてはいけないお客様についてまでです。
さらには、おススメする際に使用するトークについてまで意見を求めます。
こんなレベルの高い要望には、従業員が真剣に答えています。
K店長との会話です。
「みなさん、よくこれだけのレベルで答えてくれますね。」
「でも、最初からできた訳ではないですよ。コンテストの上位に入れることは結果で、本当は、みんなが考えたことでお客様が満足してくれていることを喜んでいます。お客様に、満足して喜んでいただくためには、従業員が納得しておススメできなければ、ただの押し売りになって、誰もやらなくなりますよ。」
おススメ(サジェスト)は、お客様のために行うことです。
結果として、売上アップにつながるのです。
この気持ちがなくて、「自分たちの都合」でおススメすると、その気持ちはお客様に伝わり嫌悪感を抱かせるのです。
おススメしても上手くいかない時は、誰のためにやるのかを考えてみてください。
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