原価管理の実例~ケース①

2015.09.27 (日)

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前回は、原価の悪化の原因についてお話をしました。

それでは、今回からは、授業員の意識が原価にどのような影響を与えるのかを事例を出しながらお話します。

【ケース①】~現場から仮説を立てて原因を探る方法~

A店では、売上のダウンにより利益率が下がり始めていました。

改めて、原価を確認すると売上の減少以上に原価の上昇が問題なことが分かりました。

今まで、原価が大きく変動することはなかったので、特に予防はしていなかった。

A店の現状です。

・競合店のオープンで、売上が下がっている。

・夕方以降は、アルバイトリーダーに店を任せている。

・新人のアルバイトが増えている。

・アルバイトは、ルールをしっかりと守っている。

・仕込み量は、基準量がありそれを表にして誰でも確認できるようになっている。

・食材の原価率が上がっている。

・納品の作業や伝票などの経理上のミスはない。

・原材料の在庫過多になっている。

・収納スペースが、乱雑である。

まずが、現場の状況を把握する事から始めます。

これらの情報から、まずは仮説を考えられるだけ出します。

○仮説

・新人のアルバイトによる原因では。

・店長が不在の夕方に問題が発生している。

・食材の原価が悪化しているのは、廃棄している原材料が増えている。

・会計所のミス(棚卸の計算、仕入の集計、棚卸のカウント間違いなど)

・内部の不正行為の可能性は低い。

などなど

仮説を元に、現場を調査します。

調査の結果、このケースでは、下記の原因が分かりました。

○原因

・新人バイトのトレーニング不足により、仕込みのミスと食材を使いすぎが発生していた。

・売上が下がったのに、夕方からの仕込み量を減らす調整をしていなかった。

・廃棄ロスを記録していなかったので、廃棄になる食材が増えていた事に気が付かなかった。

これは、非常にわかりやすい事例です。

この事例では、アルバイトリーダーですら、原価に関する意識を教えられていないと考えられます。

それでは、新人のアルバイトは尚更ですね。

対策としては、トレーニングの強化と仕込み量の調整をアルバイトリーダーにも教える事を実施しました。

まずは、店長が原因を考えること、そして従業員がいる場合には共通の問題として認識することが必要です。

次回も、原価管理の事例をお話します。

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