原価管理から内部不正が見つかる〜その④
オーナーの判断は、2名のアルバイトと話し事実確認をすることでした。
そして、本人たちとの話し合いの結果、ひとりは不正を認めました。
ただ、もうひとりは、一緒に勤務してはいましたが、不正の事実はありませんでした。
自分が疑われたことよりも、一緒に働いていた友人が不正を働いていたことにショックを受けていたそうです。
そして、不正をしたアルバイトは、不正額の返済と解雇に。
もうひとりのアルバイトには、オーナーは継続しての勤務を要望しましたが、辞めることになります。
友人の不正が、ショックで勤務することはできないとの理由でした。
残念な結果となりました。
オーナーは、任せていた夕方以降の時間帯も、勤務することになったのです。
内部不正は、小さなことか始まります。
例えば、レジから売上金を取るにしても、いきなり何万円も取ったりしません。
はじめは、ジュース代位から、そして、時間とともにエスカレートしていきます。
《内部不正》は、本人だけに問題でしょうか。
その行為に、気がつかない店側(オーナー、店長)にも責任があるとの思います。
内部不正が、発覚した店舗には、内部不正が発生する温床も存在しているのです。
今回のC店では、アルバイトに任せた夕方以降の運営を放置していました。原価などの経費について、外部に委託して安心していました。
小さな不正の段階でしたら、管理している姿勢を見せるだけで、内部不正の抑止力になるのです。魔がさすことを予防するのです。
その後のC店は、どうなったのでしょうか。
オーナーの経営に対するスタンスは、変わることはありませんでした。
打ち合わせの際に、オーナーが言った言葉が、それを表しています。
「なぜ、もっと早く不正を見つけてくれなかったのですか」
しかし、このオーナーに、2店目を持たせてしまいました。
これも、私の失敗です。無理なことは、考えなくてもわかるはずなのに。
チェーンとして、店を増やすことを優先してしまいました。
私も店長として、2店舗を社員ひとりで運営したことあるので、その苦労はわかっていたはずなのに。
オーナーがひとりで、C店ともう1店舗の運営しましたが、両店共に運営状態は決して良いとは言えませんでした。
そして、売上の回復しないC店は閉店となります。
さらに、オーナーは、もう1店舗も手放し、この事業からは撤退してしまったのです。
個人経営で、オーナー店長ひとりで運営するには、2店舗でも大変です。
また、店長が複数人いても、3店目の壁も存在します。
複数の店舗運営には、1店舗だけの運営とは違った、複数店舗運営のための準備と備えが必要です。
次回は、私の体験談で2店舗をひとりで運営した時のことをお話しします。
現在の記事: 原価管理から内部不正が見つかる〜その④