原価の管理が重要なのは、なぜ?
利益を確保するために、お店でやるべきことはなんでしょうか。
《売上管理》と《経費管理》です。
《経費管理》の中から、原価管理についてのお話をさせていただきます。
いろいろな事例のお話の前に、そもそも原価とは?からです。
通常、原価といえば製造原価のことを指しているかと思います。
製造原価とは、製造にかかる費用のことです。
飲食店では、調理して商品として提供するために必要な原材料にかかる費用です。
そして、原価額の売上に対する比率を原価率と言います。
計算式は、
原価率=使用した原材料 ÷ 売上×100
この原価の管理が、利益に関わる重要な業務となります。
なぜでしょうか?
それでは、簡単な例としてファストフード店で考えてみましょう。
チェーン店の飲食店では、商品に使用する原材料を細かく決まっているところが多いです。
◯ハンバーガーの定価を500円とします。
◯原材料費の基準額は、合計で130円と仮定します。
・バンズ(パン)×1個=20円
・ミートパテ(お肉)×1枚 =40円
・玉ねぎ ×5g =10円
・ピクルス ×1枚 =10円
・ソース ×10g =30円
・レタス ×10g =20円
・トマト ×1枚 =20円
◯原価率は、26%となります。
原価率=使用した原材料 ÷ 売上×100
26%=130円÷450円×100
売上から原価額を引くと粗利益です。
ここでは、320円です。この粗利益から、その他の経費を払うことになります。
会計的な説明は、省略しますね。
店舗での原価管理は、異常数値を発見し、利益を確保することが目的です。
例えば、このようにことが起きたらどうなるでしょうか。
◉ソースの規定量を間違っていた◉
・ソース ×20g =60円
ハンバーガー、ひとつ当たり30円を余分に使用していますね。
その結果、原価率は35.5%に、粗利益は290円に減少しています。
他の経費が、全く変わらないとすると、単純に利益マイナス30円ですね。
これが、誰も気がつかないでひと月経過したら。
一日中で、100個のハンバーガーを販売として、ひと月で3,000個の販売です。
それでは、ひと月で規定よりもかかってしまた原材料費を考えてみましょう。
30円 × 3,000個=90,000円
小さな積み重ねが、利益を大きくマイナスしてしまいますね。
実際の現場では、規定量を厳密に守ることは難しく、他にも、いろいろな要因で原価率が上がってしまいます。
だからこそ、日々の管理が大きく関わってきます。
また、人がやることですから、ここでも人の管理、教育が重要になります。
次回は、原価を上げてしまう要因について、詳しくお話します。
追記
私は、店長の頃は、原価管理が得意でした。
前任の店長よりも、もし売上が下がっても、私益を出すことには自信がありました。
どちらかといえば、守りを得意とするタイプの店長でした。
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