データから現場を理解できますか?

2016.03.11 (金)

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店舗の現場一筋で働いている方と、本部のスタッフ(内勤)で現場経験がない方との間で意思の疎通うがうまくいかないことが多々あります。

ひとは、自分が経験したことがないことを理解できないことが多いからと考えられます。

詳しくは、別の機会にお話しますが、同じ日本語を話しているのに言語として通じていないような感覚を持った経験があります。

店舗経験から本部スタッフに勤務が変わった人なら理解できるでしょう。

でも稀に、店舗での経験がないにも関わらず、店舗の気持ちを理解している本部スタッフもいます。

店長時代に、お世話になった経理担当のYさんが、そんな人でした。

店長たちは、月初に伝票や棚卸表、給与計算の集計などの書類一式とあわせて、店舗の損益計算書も提出していました。

Yさんは、損益計算書は、売上や経費に利益の数値だけでなく、その数値データから店舗や店長の状況を推測することができるのです。

ある店舗の損益計算書では、会社の予算よりも利益が大きく出ていました。

本部のスタッフや上司は、利益が出ていることを褒めたたえています。

店長自身も利益を出せているのですから、満足している様子でした。

その店長が、書類をまとめてYさんに提出しました。

しばらくして、Yさんが、先ほどの店長に話しかけました。

「店長、無理してるよね。 従業員が足りてないでしょ。」

「はい、採用がうまくいかなくて。足りない分は、自分でやるしかないんです。」

「アルバイトの人件費が、低すぎるよ。利益が出ているけど、原価は悪くなっている。運営の状態もあまりようくないように思えるけど。」

「じつは、みんなに無理させているので作業が雑になっています。よくわあかりますね。」

「数値をみれば、わかるよ。利益は、結果でしかないよ。そのプロセスが健全かどうかは他の数値とのバランスを見れば、おのずと店舗のことが見えてくる。」

さらに、Yさんは、続けました。

「今月は、利益が出ているけど、これを続けられるかい。アルバイトを雇って人件費が戻ったら、すぐに赤字になるよ。それでは意味がないからね。」

店舗の利益は、結果です。

一見、とても利益が出ていても、また、一見、利益が少なくなっていても、その店舗や店長の計画などの状況により意味が違ってきます。

店舗経営では、単月の利益も大切ですが、将来に利益を出すための行動も大切です。

現場経験がなくても、その場の数値だけでなく、本質の部分を見て理解してください。

よくあるパターンが、すぐに人事異動で店長を変えることを繰り返すことです。

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